| ■治療方法と薬剤について |
トラネキサム(内服薬)
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トランサミンとかニコルダという名前で出されている飲み薬です。1日3〜6錠を通常3か月飲みます。メラノサイトがメラニンを生成する過程をブロックします。お顔全体が白くなるようにして、効いてきます。血栓症のリスクのある方にはお勧めしていません。
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ハイドロキノン
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塗る薬の中では漂白剤として現在最も効果があります。メラノサイトという細胞がメラニンを生成する過程を抑える薬です。さまざまな治療と並行して使用する薬で、治療効果を高めたり、治療中の炎症後色素沈着を抑えたり、他の副反応を減らしたり、しみの治療をする上で非常に重要な薬です。
この薬は、時にかぶれ(接触性皮膚炎)が起きます。使用する量により赤くなる、ヒリヒリする、痒くなるなど刺激症状が出る場合があります(刺激による接触性皮膚炎)。この場合は量を減らすか濃度を変えるなどの工夫で再度使用できます。また人により、わずかの量であってもかぶれる場合もあります(アレルギー性の接触性皮膚炎、頻度は少ない)。もし、このアレルギーによる接触皮膚炎の症状が出てしまうと、その方はハイドロキノンを使用することができなくなります。かぶれの症状が出た場合、症状の強さにもよりますが、どちらの接触性皮膚炎であったかパッチテストで確認します。
かぶれた場合には一時的にしみの色が強くなったり、周辺も含めて炎症後色素沈着が起きる場合があります。通常と異なる反応が出た場合にはなるべく早く診察においでください。かぶれのリスクはありますが、しみを抜くためには大変重要な薬です。ハイドロキノンは皮膚に載せるように(塗りこめない)薄く伸ばしてお使いください。最初は1日1回少量で結構です。ハイドロキノンは急に中止すると、色が突然戻ってくる場合があります。漸減した方が安全です。
美夏クリニックで用いているハイドロキノンは5種類です。
オバジのクリームプログラムで使用しているものは、やや刺激が強くハイドロキノンの含有率は5%です。
Gradesという製薬会社のものは4%で、比較的穏やかです。赤くならなければ1日2回使ってください。
トレチノイン療法(吉村)で用いているものは5%または10%で、乳酸が入っていてピーリング効果のあるもの(乳酸は刺激が強いので赤くなりやすい)と親水軟膏アスコルビン酸含有の穏やかなもの。どちらも吉村先生の処方によります。
化粧品に分類される1.9%の濃度のナノHQクリームは、最近のテクノロジーで濃度を下げながらも効果は4%くらいまであるというものです。
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トレチノイン療法
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種々の作用をもつ薬ですが、しみの治療においては、表皮内メラニンを排出する作用を利用して治療します。皮膚の基底層(細胞が分裂するところ)に働きかけ、新陳代謝を促し、細胞と一緒にしみの色を作っているメラニンを上へ上へと押し出してゆきます。通常でも皮膚の新陳代謝でメラニンは押し出されているのですが、押し出されるのと一緒にメラノサイトがメラニンを産生し、しみとして、定着してしまっています。しみの治療では、ハイドロキノンでメラニンの産生をおさえる必要があります。
新陳代謝を盛んにするため、塗っている場所が赤くなり、剥けてきます。これは通常の反応なのですが、かなり人によって程度に差があります。特にアトピ−性皮膚炎のように、もともと皮膚が乾燥し湿疹が出やすい人は、注意して使う必要があります。
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イオン導入
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いくら化粧品でビタミンを塗っても、私たちの皮膚にはバリアがありなかなか浸透しません。そこで皮膚に電圧をかけて、イオン化したビタミン(レチノ−ル、ビタミンCなど総合ビタミン入りのジェル)を皮膚の深い部分に導入します。
ビタミンCがメラノサイトの活動性を抑え、皮膚の治癒能力を促進します。肝斑はフォトセラピーやレーザー治療が難しいものですが、イオン導入ではおだやかに色をコントロールします(ハイドロキノンやトランネキサムの内服と併用することが勧められます)。また、レーザーやフォトセラピーの治療後に炎症後色素沈着を起こす確率を下げ、もし起きた場合にも早く改善します。つまり、他の治療と組み合わせた場合、安全性が高まり早い時期にゴールに到達することが期待できます。また、やけどや擦過傷(擦り傷)など傷を受けた後、早期にイオン導入を施行しますと、治癒が促進し、炎症後色素沈着が起きたとしても軽くてすみます。7〜10日に1回の割合で8〜10回を目安に続けますと効果がかなり表れますが、ご希望の回数でお受けいただけます。ジェルにかぶれてしまいますと、施行できません。
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フォトフェイシャルファースト
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今年導入したルミナスワンのフォトフェイシャルファーストは、しみ治療に大変威力を発揮いたします。レーザーに近い感じで鋭く照射することも可能ですし、柔らかく少しずつ照射してゆくことも可能です。皮膚の状態やしみの種類、患者さんのご希望でどのような方にでも照射できます。
肝斑にたいしては、色を薄くする効果が認められますが、消えるまでは望んではいけません。
以前より使用していたパロマー社のメディラックスは、しみの治療には限界があります。肝斑のない患者さまで最初の2−3回の使用であれば効果が現れる方もおいでです。効かないしみがありますし、薄くなるだけのしみもあります。
フォトによる治療は痂皮が化粧で隠れるくらいの薄いもので、炎症後色素沈着も軽いため、日常生活に及ぼす影響が少なくラクなことが特徴です。お顔全体にぱらぱら色が落ちているような方で、テープを貼るようなケアや、皮膚が赤くなったり剥けたりすることが日常生活上困難な方にはよい選択肢だと思います。
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Qスイッチヤグレーザー
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表在性色素斑、深在性色素斑(太田母斑、遅発性太田母斑様色素斑)、刺青などレーザー照射で効果のあるしみについては、すべてに対して効果があります。MAX社のスペクトラVRMという機械を使用しています。
皮膚の浅い部分(表皮)のメラニンにレーザーが当たりますと、メラニンがはじけとび、かさぶたを形成します。かさぶたがはがれるとしみが消失しています。
皮膚の真皮という深い部分のメラニンは波長を変えて照射します。はじけとんだメラニンが白血球に食われてしみの色が薄くなります。浅い部分に照射した場合に比べ、レーザーの効果が出てくるまで、場合によっては2〜3か月と時間がかかりますし、通常複数回の照射が必要になります。
ペンレステープという麻酔のテープを1時間半くらい前に貼っていただくと痛みが軽くなります。痛みに弱い方はあらかじめお申し出ください。
照射部位の痂皮をなるべく長くつけておいたほうが、仕上がりはきれいです。照射後に創傷被覆剤を貼付して、お帰りいただきます。その被覆剤(アブソキュア)を1週間貼ったまま、洗顔したりお化粧したりしてください。被覆剤の貼った周辺付近が赤くなってきたら、それは被覆剤にかぶれています。来院してください。痂皮が途中でとれたり、引っ掻いたりしますと、炎症後色素沈着が起きやすくなります。
痂皮が取れた後は、皮膚に赤みが1か月くらい残存します。紫外線を避けることが非常に重要です。かぶれないSPF40以上のサンスクリーンを最低半年お使いください。肌色のテープをお使いいただいても結構です。
炎症後色素沈着といって、レーザー照射後いったん色が消えても、黒ずんだ茶色い色が出る場合があります。程度にもよりますが、ハイドロキノンを塗る、イオン導入をする、トレチノイン療法をするなどをお勧めしています。来院をお願いします。
また、同じ機械をレーザーピーリングに用いることもできます。カーボンを塗って弱い出力でお顔全体に照射いたします。特に毛穴を引き締めたい場合には波長を長くして使います。ピーリング効果でハイドロキノンやイオン導入などの薬の浸透性が高まります。2〜3パス目で真皮を刺激し、若返りや美白効果も期待できます。1か月に1度くらいの繰り返しの照射で効果をあげるもので、若干赤みが出る場合がありますが、ダウンタイムのない治療です。
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炭酸ガスレーザー
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水がターゲットのレーザーです。皮膚表面より出っ張っている部分を削るのに用います。脂漏性角化症など短時間で平らにするには、良い機械です。炎症後色素沈着の目立つ人と全くおきない人がいます。紫外線を避けることが必要です。周辺部分に炎症後色素沈着を起こしにくいので、美容領域では液体窒素より炭酸ガスレーザーが好まれます。
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オバジクリームプログラムnu-derm
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トレチノインとハイドロキノンを用いて、皮膚を若返らせ、しみを治療します。皮膚表面から真皮までの統合的な治療で、6週間を1クールとし、3クールを基本に施行します。2クール目でTCAのような深いピーリングやレーザー照射を行いますと、炎症後色素沈着の可能性が極めて低く抑えられ、積極的な治療が可能です。ただ、皮膚が赤くなり剥けてきますので、我慢の時期が必要です。妊娠している方はできません。
お顔全体に種々のトラブルがある場合に良い選択肢になります。
>>Obagi Systemホームページ
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トレチノイン療法(東大吉村式)
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オバジと同様トレチノインとハイドロキノンを用いた漂白療法です。基底膜という表皮の細胞分裂が起こる層より浅い部分にあるしみに適応があります。トレチノインで基底膜の上にあるメラニンを追い出し、ハイドロキノンでメラノサイトの活動を抑えることで漂白します。特に、肝斑と炎症後色素沈着は照射するタイプの治療が向いておらず、トレチノイン療法が最も漂白効果のある治療法になっています。オバジが顔全体を治療するのに比べ、しみの部分のみを治療します。そのため、赤みや皮膚が剥けてくるのが一部分で済み、コンシーラーなどカバーリング効果の高い化粧品で、ある程度人目から隠すことができます。コストもオバジに比べ、安価で済みます。この治療をするときには、ハイドロキノンは東大式の処方のものを用いています。乳酸の入っているハイドロキノンは親水軟膏ベースのものに比べ刺激症状が強く出ますが、早くメラニンを追い出す効果があります。ハイドロキノンに対して、アレルギー性の接触性皮膚炎が出る人はできません。
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