呼吸器疾患
風邪症候群
急性上気道炎の総称で、原因の大半がウイルス感染によるため通常抗生剤は不要で、漢方薬治療が西洋薬の鎮痛解熱剤投与より早く治癒が望めます。
漢方薬は症状に応じて使い分け、細菌感染の合併時には抗生剤が必要となります。

肺炎
細菌やウイルスによる肺実質の炎症で、高齢者では日本人の死因の4位に位置し、早期の診断治療が必要です。
悪寒、発熱、せき、痰、呼吸困難を認めますが、高齢者では症状の乏しいこともあり注意が必要です。肺炎球菌、インフルエンザ菌感染が高齢者に多く、若い健常人ではマイコプラス、クラミジア感染の可能性が高くなります。それぞれに感受性のある抗生剤の使用が必要です。
漢方薬は補助的に使用し、症状の改善治癒効果を高めます。

インフルエンザ
インフルエンザウイルスによる風邪症候群の一種です。原因ウイルスによりA型、B型、C型と分類されます。最近の傾向としてA型は1月〜2月に大流行し、重篤化の傾向があり、B型はA型に遅れて流行する傾向があります。治療には前もってのインフルエンザワクチン予防接種が第一です。
ふだんから抵抗力の弱い方は、証に従い補中益気湯などの服用も予防には効果的です。発症時には迅速な診断のもとにウイルスの増殖を阻害するノイロミニダーゼ阻害薬を2日以内に使用することで治癒を早めます。
軽症は漢方薬での治療で充分ですが、細菌感染合併時は抗生剤が必要になります。

喘息
気道の過敏性と慢性炎症による可逆性の気道閉塞により、せき、痰、呼吸困難があります。最近WHOから重症度に応じての治療ガイドラインが出て、早期吸入ステロイド、β2刺激剤の適切治療によって予後が良好となっています。
漢方薬の適切使用は喘息発作の予防効果もあり、QOLの改善に役立ちます。鍼治療も効果的です。早期の治療により気道肥厚による非可逆的変化の阻止が重要です。