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| ■花粉症 |
■風邪?それとも花粉症?
目がムズ痒かったり、鼻水、鼻づまり、くしゃみ、時にはからだのだるい感じが長引いて、風邪だと思い込んでいませんか?花粉症かもしれません。今まで花粉症と言われたことのない方でも、突然発症することがあります。一度血液の検査を受けてみることをお勧めいたします。
花粉症の中ではスギ花粉に反応する人が多く、関東地区では50−60パーセントの方が感作されていると報告されています。感作とはいつでも症状が出てくるよという体制が身体の中で整っている状態です。
今年の花粉情報では2月の15日頃からスギ花粉が飛び始めると予想されています。治療には花粉の飛び始める2週間前から行うことで良好な予防治療が期待されます。症状が出る前に早めに治療を受けることが、花粉症を楽に乗り切る大切なポイントです。花粉症対策には、その発症の仕組みを知ることが大切ですので、以下に簡単にご説明いたします。
■原 因
花粉症とは花粉が原因抗原となって発症するアレルギー性疾患です。私たちの体には本来自分を外部の侵襲から守るための防衛機構をそなえています。ウイルス感染、細菌感染から回復できるのはこの防衛機構が正常に働いているからなのです。この防衛機構を免疫と呼びます。アレルギー反応とは免疫反応が過剰反応を起こし、結果として私たちに不利働いている状態をいいますが、免疫も、アレルギーも基本的には同じ生体の防御反応です。
さて、花粉症では花粉が鼻腔または結膜に付着すると、この異物である花粉を体の中に入れないように、炎症が起き、鼻腔を閉鎖し、洗い流そうとして鼻汁、くしゃみ、涙がでることになります。この反応を細胞レベルで説明すると、以下のようになります。
■メカニズム
花粉が抗原としてマクロファージ、T_リンパ球、B−リンパ球に認識され、免疫グロブリンであるIgEが過剰に産生され、そのIgEが肥満細胞に結合し、そこに抗原として認識された花粉の再暴露を受けた時に肥満細胞が壊れ、ヒスタミン、ロイコトリエンなどの炎症惹起物質が放出されることによって起こります。このアレルギー反応はIgEの産生量、抗原量が多いとその反応も強くでます。IgE産生量は抗原量、感作頻度、そして何よりも個々の免疫反応の状態(体質)に左右されます。これには抑制T細胞/ヘルパーT細胞の機能的バランスが関係していると考えられています。
■地域による差
北海道、沖縄では杉花粉症の方が少ないのは、杉花粉がないため、感作される機会すくないためであって、体質的に特殊だからではありません。アレルギー反応は感作が繰り返され、IgE量がある程度の閾値を超えた時、症状がでるため、ある時に急に発症したように感じられますが、実は長年の花粉への暴露が繰り返されての結果であることを知っておく必要があります。
■他の花粉症
日本人の花粉症の原因で一番頻度の高いのはスギ花粉で、IgEからみた感作率では中学生以上で50−60パーセントと高率です。カモガヤで20−30パーセントの感作率といわれています。その他ヨモギ、ブタクサなどの花粉が抗原として注目されます。
■花粉症と他のアレルギ-
花粉症の症状は花粉の時期に限定されて出るのが基本ですが、花粉症の方は他の種類の花粉にも感作されていることが多く、例えばスギ花粉症の方はヒノキにも感作されている方も多く、2月から4月以降にも症状が見られます。さらに、花粉症の方は花粉のみでなくダニ、ハウスダストにも感作されている事が多いことも注目する必要があります。これらは喘息、アトピー性皮膚炎の抗原となっていることが多く、花粉症、喘息、アトピー性皮膚炎の合併例は多く認めます。
■検 査
検査診断には抗原での誘発試験、皮内反応、そして抗原特異IgEを測定する方法(RAST)があります。これらの試験で原因物質が特定できるため、診断と治療には欠かせない検査で、特にRASTは患者さんの血清を用いての検査で、苦痛も無く簡便なため、感度は他の2者に劣りますが日常診療で最も汎用されています。
■予 防
予防には特定された抗原への暴露を避けることが最大の予防です。抗原の無いところで暮らすのがベストですが、それが実現不可能なら花粉防止マスク、眼鏡をし、花粉の飛ぶ時間帯の外出を避けるなどの心得が必要です。さらにすでに花粉症を発症した方は、花粉の飛び散る2−3週間前から抗アレルギー剤の服用を開始するなどで軽症に暮らせます。または原因抗原を少しずつ反復注射する減感作療法で根本的にアレルギー体質を変えていく治療法があります。皮下注射が主流ですが、最近抗原の舌下投与による減感作療法も試みられ期待されています。
また原因となっている杉を花粉の少ない品種に改良する、林業のエコロジー管理面からの対策、さらに大気汚染改善など、全国的な総合環境改善対策を推し進めるような根本的健康対策運動がとても大切なことだと思います。
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