ニキビ跡(凹み・クレーター・凸凹)の主な治療方法
ニキビ跡の凹みやクレーターは、ひとつの治療で改善するわけではありません。凹みの深さ、形、皮膚の硬さ、周囲のハリ、下に引っ張られている線維の有無によって、適した治療が異なります。多くの場合いくつかの治療を組み合わせながら、少しずつ改善を目指していきます。
診察では、皮膚を軽く引っ張ったときに凹凸が目立ちにくくなるか、クレーターの角がはっきり残るか、深い部分で皮膚が下に引き込まれているかを確認します。
皮膚を引っ張ると凹凸が目立ちにくくなる場合には、皮膚のハリを出し質感を整える治療を検討します。→炭酸ガスフラクショナルレーザーやRFニードルで、コラーゲンの産生を促し、肌の質感や凹凸の改善を目指します。どちらもハリをだすだけではなく、熱刺激によってコラーゲンの再生や皮膚のリモデリングを促し、凹凸をなだらかにしていく効果が期待できます。
一方で、皮膚を引っ張ってもクレーターの縁や角が目立つ場合には、TCAや炭酸ガスレーザーを用いて、凹みの縁をなめらかにする治療を行います。
また、深い部分で皮膚が下に引っ張られている凹みには、マイクロサブシジョンを検討します。これは、凹みを下に引き込んでいる線維を切り離し、ヒアルロン酸やポリ乳酸などの薬剤を入れて、凹みを内側から持ち上げることを目指す治療です。
実際には、凹みのタイプが混在していますので、炭酸ガスレーザーフラクショナル、RFニードル、TCA、炭酸ガスレーザー、サブシジョン、注入治療などを組み合わせながら、少しずつニキビ跡を目立ちにくくしていきます。それぞれの治療については下記の通りです。
炭酸ガスフラクショナルレーザー(マドンナリフト) お肌のハリをだす+傷をぼやかす
皮膚に細かい点々の水玉模様に炭酸ガスレーザーを照射します。炭酸ガスレーザーは小さい孔をあけ、熱で皮膚が収縮します。その結果肌を引き締めつつ、新陳代謝させて皮膚を少しずつ入れ替わらせます。凹凸、毛穴、肌質改善を目的に行います。DEKA社のフラクショナルは熱の入りが良く引き締め効果が高いのが特徴です。
向いている症状:凹みやクレーター治療など傷跡全般。少しずつ傷跡がぼやけながら目立たなくなってゆきます。他に肌のざらつき、毛穴、全体的な質感改善が見込まれます。
主な副作用
かさぶた(痂皮)が5-7日。塗る麻酔は必須。赤み、色素沈着、腫れ、ヒリつき、まれに感染や瘢痕。強く照射するとダウンタイムが長く、弱く照射すると回数がかかります。
RFニードル サーマニードルEVO お肌のハリを出す+凹みの底を上へ支える
真皮を加熱すると基底膜と色素細胞が整います。ハンドピース先端のチップに細い36個の極細針がついており、皮膚を吸引しながら0.8-1.4mmの深さで針先端から高周波(RF)を流します。RFの熱エネルギーでコラーゲンの産生を促し肌がリモルディングされ、肌の針が出ます。照射は2パスで照射直後に針孔からポリ乳酸またはビタミンなどを導入します。マイクロ二―ドリング(ダーマペン)などと同じ原理です。針先端の加熱で凹みの表層が上方向に膨らみ、導入剤(肌育製剤)で支えます。
向いている症状とメリット 浅い〜中等度の凹み、毛穴、肌質改善。引き締め、小じわ治療。ダウンタイムは当日のみ。手で肌を引っ張ってみて凸凹が改善するタイプの傷に良い。
主な副作用 赤み、腫れは大体当日のみ、点状の出血痕は長いと1週間、乾燥、稀に肝斑の悪化
TCA や炭酸ガスレーザーで角を落とす 階段のステップをスロープにするイメージです。
高濃度のTCAという薬剤または炭酸ガスレーザーを用いて、深く細い凹みやアイスピック型のへこみの上皮を削る治療です。またクレーターの角を落とすのに用います。かさぶたが出来ますので、紫外線の少ない時がお薦めです。
主な副作用:赤み、かさぶた、色素沈着、瘢痕、数回かかる。粉瘤の形成。
マイクロサブシジョン (キュアジェット) 固い傷の凸凹の底を浮かせてなだらかにしてゆきます。
CUREJETは、針を使わずに薬剤を肌の中へ届けながら、ニキビ跡の硬くなった部分をやさしくほぐし、凹みや肌質の改善を目指す治療です。皮膚の下で傷の凹みを下に引っ張っている線維を、切り離して浮かせます。外すだけでは再癒着して元に戻るので、ジェットを吹き付けて切り離すと同時にヒアルロン酸やポリ乳酸などふくらみを維持します。これが出来るようになって、ニキビ跡の固い凹凸がようやく改善するようになりました。当院のCurejetは針を使わずに薬剤のジェットを吹き付ける原理で、細かい固い傷に向いています。ミリ単位の細かい作業ができ、小さい強い瘢痕の治療が可能な機械です。
適応:皮膚のハリを持たせても凸凹の残る傷跡、刻まれてしまった皺
主な副作用;へこんでいる瘢痕や皺に照射する時は、赤い点線状の腫れが数日でます。考えられる副作用としては、痛み、しこり、感染、色素沈着
注入治療 ヒアルロン酸 ローリング型のへこみ、傷がソフトでへこんでいるもの。
治療回数の目安
ニキビ跡治療は、1回では完了しません。状態により異なりますが、3〜6回以上の治療を数週間〜数か月おきに行うことがあります。
ニキビの傷痕が重症の場合には、RFニードルや炭酸ガスフラクショナルレーザーで皮膚のハリを出しつつ、凸凹の角をTCAか炭酸ガスレーザーでなめらかにし、さらに深い下へ引っ張られているへこんだ傷にはマイクロサブシジョン(キュアジェット)を追加してゆくという組み合わせ治療が必要になります。
大切なポイント
ニキビ跡治療は、完全に消すというより、凹凸・赤み・色むらを少しずつ目立ちにくくする治療です。ニキビ治療もニキビ跡治療も根気と忍耐が必要です。患者さんの協力でニキビ跡を目立たないようにしていきましょう。
治療方法は、肌質、ニキビ跡の種類、生活予定、ダウンタイムの許容範囲によって変わります。診察で肌の状態を確認し、こつこつと少しずつ無理をしない治療計画をご提案します。

















