抗アレルギー薬で痒みを抑える

 武蔵野皮膚疾患病診連携研究会という集まりが、9日にありました。スギ花粉皮膚炎の話が面白かったのですが、これはまたシーズンに入ってからさせていただくことにして、抗アレルギー剤について話題がありましたので、そちらを書きます。  もともと抗アレルギー剤は、蕁麻疹や花粉症などに良く処方される薬です。美夏Dr.は「痒い人」です。蕁麻疹が時々出ますし、スギの花粉症も重症で、1年のうち2―3か月は抗アレルギー剤のお世話になります。  この抗アレルギー剤は、アトピー性皮膚炎などの痒みを抑える薬としても処方されます。  今回の研究会でビデオで流された話題は  アトピー性皮膚炎の患者さんのなかで、アレロックという抗アレルギー剤と外用薬(塗り薬)を最低2週間併用して、痒みが消失またはほぼ消失した患者さんをまず選択しました。その患者さんを二つのグループに分け、けてその後12週にわたって外用薬と抗アレルギー剤を連続して併用した群と、外用薬は併用し抗アレルギー剤を痒みの起きたときのみ使った群で比較しました。  今回の試験は1094例という大規模試験でした。その結果眠気などのトラブルは軽いもので19例のみ。試験終了後抗アレルギー薬(この場合アレロック)を連続して投与された群では68%で痒みの再発が抑えられ、間歇的投与群(痒いときのみ内服した群)では56%で痒みの再発が抑えられたそうです。  つまり、アトピー性皮膚炎の患者さんで内服で痒みが抑えられる人は、12週痒くても痒くなくても抗アレルギー薬の内服を続ければ、痒みの再発が少ないという結果だった。つまり100人のうち12人は継続して内服したほうが痒みの再発は少ない。  なかなか微妙な結果ですね。あまり抗アレルギー薬で眠気やふらつきが出ない人には、良いかもしれません。  痒みや花粉症の話がメインの研究会で、ポリポリあちらこちら掻きながら、お話を聞いている美夏Dr.は少々恥ずかしかった。まあ自分が痒いと、痒い患者さんの気持ちは分かるので、その点ではメリットです。  また美夏Dr.は、内服薬のコンプライアンスが悪いので(と書くとかっこよく聞こえますが、単にすぐに飲み忘れてしまうだけ)、12週アレロックを内服し続けるのは大変です。でも花粉症の時期は飲まないと生活できないので、その時期にポリポリ引っかいている頻度が下がるかどうか、面倒くさがり屋ナースにカウントしてもらって、結果を出してみましょうか? posted at 2006/11/11 14:00 | kojitomika | permalink/全文表示 |

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